生成AIスクールの費用を調べていると「教育訓練給付金」はよく出てきますが、その隣に並ぶ「教育訓練支援給付金」まで区別できている人は多くありません。名前は似ていても、支える対象も中身も別の制度です。この記事では、離職中に学び直しを考えている人に向けて、教育訓練支援給付金の中身と対象条件、生成AIスクールで使えるのかを整理します。
教育訓練支援給付金は「受講中の生活」を支える制度
教育訓練給付金が「支払った受講料の一部をあとから補う」制度なのに対し、教育訓練支援給付金は「訓練を受けている間の生活を支える」制度です。ハローワークインターネットサービスでは、専門実践教育訓練の教育訓練給付を受ける人のうち、昼間通学制の訓練を受講しているなど一定の要件を満たした人が失業状態にある場合に支給される、と説明されています。
押さえておきたいのは、この制度が単独では使えない点です。前提として、厚生労働大臣が専門実践教育訓練に指定した講座を受けていることが必要で、一般教育訓練や特定一般教育訓練だけの受講では上乗せの対象になりません。給付金全体の手続きの流れは教育訓練給付金の申請の流れ|受講前にやることと必要書類で整理しているので、あわせて確認してみてください。
※記載の制度内容・支給率は2026年9月時点で厚生労働省およびハローワークインターネットサービスの公式サイトに掲載されていた内容です。個別の対象可否は必ずハローワークでご確認ください。
対象になるのはどんな人か
前提は「専門実践教育訓練」を受けること
専門実践教育訓練は、中長期的なキャリア形成に資するとして指定された訓練です。受講費用については、教育訓練経費の50%(年間上限40万円)が受講中に支給され、資格取得と就職の要件を満たすと70%(年間上限56万円)、さらに修了後の賃金が受講開始前より5%以上上昇した場合は80%(年間上限64万円)まで引き上げられます。教育訓練支援給付金は、この専門実践教育訓練を受ける人だけに用意された上乗せです。
通信制・夜間制は対象から外れる
ハローワークの案内では、支給対象者は「専門実践教育訓練(通信制、夜間制を除く)を受講する方」とされています。つまり昼間通学制であることが条件で、オンライン中心の講座は対象になりにくいということです。
受講開始時に45歳未満などの要件がある
加えて、受講開始時に45歳未満であるなど一定の要件を満たし、訓練期間中に失業状態にあることが求められます。在職しながら学ぶ場合は対象外です。また、2か月に1回、ハローワークが指定する認定日に失業の認定を受ける必要があります。自己判断で進めず、必ず窓口で確認しましょう。
支給額は基本手当の日額の60%(暫定措置)
支給額は、雇用保険の基本手当の日額と同様に計算した額に60%を乗じた額とされています。これに、2か月ごとに失業の認定を受けた日数を掛けた金額が支給される仕組みです。なお、この制度は令和8年度末までの暫定措置と明記されています。また、令和7年4月1日より前に受講を開始している場合は80%に相当する額とされており、受講開始の時期によって割合が変わる点にも注意が必要です。
受講料そのものについても、各スクールで税込表記と税抜表記が混在します。給付の計算対象になる「教育訓練経費」にどこまで含まれるのかは、入会金や教材費の扱いも含めて申込前に確認しておきましょう。総額の見方は生成AIスクールの支払い方法と分割払い|総額で判断する視点でも触れています。
※記載の支給率・上限額は2026年9月時点で公式サイトに掲載されていた内容です。最新の情報はハローワークおよび厚生労働省の公式サイトでご確認ください。
生成AIスクールで使えるケースは限られる
ここまでの条件を並べるとわかるとおり、生成AIスクールで教育訓練支援給付金を使えるケースは多くありません。ひとつは専門実践教育訓練の指定を受けている生成AI関連の講座が限られること、もうひとつは生成AIスクールの多くがオンライン完結型で、昼間通学制という条件に合いにくいことです。
そのため、この制度をあてにして受講先を決めるのではなく、まず「受講料に対する教育訓練給付金が使えるか」を軸に検討し、支援給付金は条件が合えば加わるもの、という順番で考えるほうが現実的です。対象講座かどうかは、厚生労働大臣指定の教育訓練講座検索システムで確認できます。
申し込み前に踏んでおきたい3つの手順
順番を間違えると、条件を満たしていても受け取れないことがあります。次の3つは申し込む前に済ませておきましょう。
- 受けたい講座が専門実践教育訓練の指定講座かどうかを、教育訓練講座検索システムで確認する
- ハローワークで支給要件照会を行い、自分が受給資格を満たすかを確かめる(電話での照会は受け付けられていません)
- 訓練前キャリアコンサルティングを受けてジョブ・カードの交付を受け、受講開始日の2週間前までに受給資格確認の手続きを行う
とくに3つ目の「2週間前まで」は見落としやすい点です。スクールの申込期限だけを見て動くと間に合わないため、ハローワークの手続きから逆算して予定を組みましょう。
まとめ
教育訓練支援給付金は、専門実践教育訓練を昼間通学制で受ける失業中の人に向けた、生活面の上乗せ制度です。対象は限定的で、生成AIスクールの多くはオンライン完結型のため、そのまま当てはまるケースは多くありません。まずは受講料に対する給付金の対象かどうかを確認し、支援給付金は条件が合えば検討する、という順番で考えるのが現実的です。
スクール選びの段階では、給付金の対象可否だけでなく、学習形式や総額も含めて比較したいところです。判断材料を並べたい人は、会社の研修制度で生成AIは学べる?自己啓発支援と費用の抑え方も参考になります。
よくある質問
教育訓練給付金と教育訓練支援給付金は、両方もらえますか?
教育訓練支援給付金は専門実践教育訓練の給付を受ける人が対象の制度なので、要件を満たせば両方の対象になり得ます。ただし支援給付金には昼間通学制であること、失業状態にあることなど追加の条件があります。実際の可否はお住まいを管轄するハローワークで確認してください。
在職中でも教育訓練支援給付金は受けられますか?
受けられません。この制度は訓練期間中に失業状態にある人を対象としています。在職しながら学ぶ場合は、受講料に対する教育訓練給付金のほうを検討することになります。在職中の学び直しについては、勤務先の自己啓発支援制度が使えないかもあわせて確認してみてください。
オンラインのスクールでも対象になりますか?
ハローワークの案内では、支給対象は専門実践教育訓練のうち通信制・夜間制を除くものとされています。したがってオンライン完結型の講座は対象になりにくいと考えられます。受講形式が制度上どう扱われるかは講座ごとに異なるため、講座名を控えたうえでハローワークに確認するのが確実です。
いつまで使える制度ですか?
公式サイトでは令和8年度末までの暫定措置と記載されています。制度は改正されることがあるため、受講を検討する時期の最新情報を厚生労働省とハローワークの公式サイトで確認してください。

